【オカルトなし】過去の実績と統計手法から明らかにするロト6攻略法

ロト6攻略法

巷にはロト6の攻略法が多く出回っており、大半が中学や高校で確率や統計を勉強した人なら否定できるようなくだらないものばかりだ。

x曜日に出やすい数字とか、過去に多く出現している数字を狙うような指針が提示されているかと思えば、逆に出現数が少ない数字を狙い目であると力説したりするサイトもある。

このページでは実際の出目における傾向の存在や予測の可能性を否定しつつ、統計的に正しい攻略法を紹介する。ただしこのロト6で確実に勝つ方法などないことはあらかじめ言っておく。

なお、スポーツくじでは中止の試合が当選扱いとされたことで、1等の当選確率が異常になり現実的な投資金額で高い期待値が得られるケースはあった(スポーツ振興くじ第1476回「MEGA BIG」)。

よくある攻略法1 よく出ている数字を選ぶ

もし、抽選機やボールに以下のような設計、製造上の不備があり、特定の数字が出やすいのであれば、過去に多く出ている数字を選択するのは有効な作戦である。

・攪拌が不十分
・ボールの重量や形状が不均一

抽選の動画も公開されているが、かなりしつこく、それも高速に攪拌しており、見た目には攪拌が不十分であるようには見えない。

各数字の出現数もPayPay銀行のサイトで公開されているので、出現数に異常値がないか調べてみる。

2025年4月10日までの1年間、104回における、各数字の実際の出現頻度は次の通り(ボーナス数字を含む)

出現数が一番多いのは29の27回、最も少ないのは39の8回。
これらは異常な値であり、考慮すべき傾向といえるものなのだろうか。

104回分の抽選で各数字が出現する回数の標準偏差は次のとおり。

理論値:3.65734
実際のサンプルの標準偏差:3.78734

サンプルがそれほど多くない割には、理論値通りの標準偏差が得られている。

また、平均±標準偏差の範囲にはサンプルの約68%、平均±標準偏差x2の範囲にはサンプルの95.45%が含まれることが期待されるが、実際に標準偏差の2倍の範囲を超えるのは104サンプル中2つであり、結果も理論値通りであると判断できる。

つまり、少なくともここ1年の結果からは「出やすい数字」はなく、抽選機やボールの設計、製造に攻略の要素はないと判断する。出現数が少なかったり多かったりする数字があるのは、明らかな傾向と言えるほどのものではなく、確率的に起こりうる偏りである。

よくある攻略法2 確率の収束(足りない数字は出やすい)

こちらは、よくある攻略法1で否定した、過去に多く出た数字が今後も出やすいとする考え方よりも根拠に乏しい。

・コイントスで表が3回続いたら、次は裏が出やすいのか?
・サイコロで1が出た後は、1以外が出る確率が高くなるのか?

このように、期待値よりも少ない結果が得られている状況でも、次の抽選で当選率が高くなることはないのだが、それなら「確率の収束」とは何なのか?

それは単試行回数(分母)が多くなって、短期間における結果のばらつきが薄まるだけのことである。
抽選機には、確率を収束させようとする制御などない。

よくある攻略法3 数字のバランス

各数字の間隔をバランスよく購入しましょう、というもの。数字の範囲を区切って、ゾーンごとに数字を選択するような方法も見かける。これは攻略法としてはむしろ逆効果である。

なぜバランスがよい数字の組み合わせが抽選されるケースが多いように感じるかというと、そのように「見える」数字の組み合わせの方が圧倒的に多いからである。

逆に言えば、これに反するようバランスが悪い数字を選択することで当選時の期待値を上げることもできる。

バランスの良い数字の組み合わせとは、次のようなものだ。

3・11・19・26・31・40

一方、バランスが悪いのは次のような組み合わせ。

1・2・30・31・33・34・36

どちらの組み合わせでも当選確率は1 / 6,096,454なのだが、前者は自然な乱数、後者は人為的な数列見える。

このような説を唱える人は、ボールを激しく攪拌する抽選機から後者のような人為的にも見える数字の組み合わせが出てくることは少ないと考えているのだろう。これは間違いであり、上記のどちらの組み合わせも出現確率は同じだ。

計算するなら次のように求められる。

(1/43) x (1/42) x (1/41) x (1/40) x (1/39) x (1/38) x 720

前半の6つの掛け算は、1つ目から6つ目に特定の数字が出現する確率。
出現したボールは抽選機には戻されないので分母は1つずつ減少する。
最後の720は、6つの数字の組み合わせが順不同であるために、6つの数字の組み合わせ総数を掛けている。計算結果は1/6,096,454であり、どのような数字の組み合わせもこの確率で出現する。

特定の数字がが出やすいなどということはないのだ。
ただし、「自然な数字の組み合わせ」は出やすいと言える。
これは、ランダムに選択された数字の大半が「自然」な組み合わせに見えるからである。

ここまでの結論としては

過去の数字の出現頻度を基にした今後の出現数字の予測はすべてオカルト

統計的に説明できる攻略法

出現する数字の規則性をとらえたり、今後出現する数字を予測することは不可能ではあるが、機械ではなく、間違いなく偏りを含む人間の選択によって決まる要素がある。それは当選金額であり、上位の等級では人気のある組み合わせほど当選金額が低くなる。1等だと、最大で6億円だが人気の組み合わせだと数千万円の回もある。

そこで過去2年間全208回における当選数字と3等(5個一致)の当選金額を基に、当選数字1つあたりの当選金額を相対値として算出してみた。元データはこちらから入手した。
3等を選択した理由は、1等や2等では当選本数が少なくてサンプルの信頼性が低くなるためだ。

各数字の相対値が大きければその数字は不人気で当選時の金額が大きく、逆に値が小さければその数字は人気があり、購入者に多く選択されていると言える。

数字3等当選時の金額(相対値)
1102.2 
291.6 
383.5 
493.3 
583.7 
685.3 
785.7 
883.1 
990.2 
1092.8 
1192.6 
1288.5 
13101.6 
1495.9 
1595.9 
1688.5 
17109.9 
1897.0 
1997.1 
20115.0 
21110.2 
2290.6 
23101.5 
24101.5 
2597.5 
2695.0 
2798.1 
2897.4 
29105.6 
30110.6 
31113.6 
3297.2 
33102.3 
34110.9 
35114.8 
36109.4 
37107.1 
38107.8 
3992.8 
40120.1 
41114.8 
42111.2 
43116.5 

例えば、3を含む組み合わせでの当選時、当選金額は平均の83.5%と低い。
一方、40を含む組み合わせでの当選時は、当選金額が平均の120.1%と高めの傾向がある。

これは感覚的に理解できる結果であると思われる。
つまり、「3」は人気がある数字で、多くの購入者に選択されているので当選時の当選金額も低くなると言うことだ。

グラフで表しても、なんとなく当選金額が低い(人気がある)数字は一定間隔で現れているように見える。これは、「バランスの良い」数字の組み合わせを購入する者が多いためであると考えられる。

また、数字と当選金額には正の相関があり、当選番号が大きい数字であるほうが、当選金額が大きくなる傾向があるといえる。
これは、購入者が小さい数字から順に選択していき、大きい数位を選択する前に6つに達してしまい、結果として小さめの数字を多めに選択した組み合わせが人気となるためだと考えられる。

逆に大きい数字は選ばれにくい傾向があり、当選した場合の金額が高くなっていると推測される。

バランスの良い買い目、悪い買い目を数値化する

先ほど記載したような2つの買い目のパターン

3・11・19・26・31・40
1・2・30・31・33・34・36

なんとなく前者のほうが自然な乱数に見えるが、実際にはどちらの出現確率も同じ1/6,096,454であり、当選確率は変わらない。

しかし後者のような偏った数字の組み合わせは不人気であり、当選時の金額が高くなる傾向がある。
そこで、数字のバランスが当選金額にどのように影響しているのか計算してみることにした。

まずは、1から43を完全に等間隔に並べると次のようになる(計算用なので小数を許容する)。

第1数字:3.58
第2数字:10.75
第3数字:17.92
第4数字:25.08
第5数字:32.25
第6数字:39.42

各数字の間隔は7.1666・・(43÷7)だ。

次に実際の6つの当選数字と、上記の完全に「バランスがよい」数字との差分を合計した値をバランスの良さ(悪さ)として、2年間208回分算出し当選金額との相関を求めてみた。

たとえば、2025年4月21日抽選の当選数字は「09・11・18・21・27・34」であるが、この場合の完全バランス組み合わせからの乖離は次のように計算する(差分なので正負は無視する)。

第1数字:09-3.58=5.42
第2数字:11-10.75=0.25
第3数字:18-17.92=0.08
第4数字:21-25.08=4.08
第5数字:27-32.25=5.25
第6数字:34-39.42=5.42
合計20.5

この「20.5」が数字のバランスを数値化したものとして、数字が小さいほどバランスがよく、大きいほどバランスが悪い組み合わせであるとする。

208回分のデータを基に、散布と相関を観察すると、1等に関しては有意な相関が認められなかった。ただしこれは1等は当選がゼロである回が多かったり当選金額の上限があるためだと考えられる。

一方、2等、3等では有意な相関が認められ、バランスが悪い組み合わせのほうが当選金額が大きくなる傾向と言える。

まとめ

以上の傾向から、次のように人気のある組み合わせの逆張りは有効であると言える。

 大き目の数字をバランス悪く選択する

ただし、これは当選確率を上げるための攻略法ではない。当選した場合の当選金を上げるための攻略法である。

それにここまで書いておいてなんだが、3等でさえも当選確率は3万分の1以下であるので、この攻略法が効果を発揮することはほとんどない。

期待値としては上記のような方針で数字を選択するのは有効ではあるが、投資ではなくどうせ当たらないし宝くじである。誕生日や何かの記念日、縁がある数字など、好きな数字を買って楽しむのが一番良いかもしれない。

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