高稼働なら高設定不要?
パチンコ屋の宣伝は規制が多いので、YouTubeで演者が店の出玉をアピールしている動画が多くみられるが、店の出玉状況だけを映して「力を入れている」と判断するのは正しいのだろうか。
そもそもパチンコ店は営利企業なのだから、「力を入れている」営業は、客に良い印象を与えてより多くの利益を上げるための行動である。
このページで検証したように、パチンコは甘釘にしなくても、稼働さえよければ通路にはドル箱が積み上がる。スロットでも高稼働が保証されるなら、無理に高設定を多数設置する必要はないのではないだろうか。
大々的に(その世界では)有名な演者を呼び、全台1のハナハナを全台終日打たせたらどのような出玉状況を演出できるのか、箱が全く使われていない状況になってしまうのか検証してみた。
なおこのページでは設定推測には触れない。
ハナハナホウオウ~天翔~ 3万台のオール設定1祭
検証に選定した台は3万台のハナハナホウオウ天翔で、もちろん全台設定1だ。
ハナハナ専業はとにかく回転数を稼ぐのがルールのようなので、9,000回転時の出玉分布を30,000台シミュレートした結果を以下に示す。
平均保有枚数:787枚
保有枚数標準偏差:787枚
平均収支:-19,509円
収支標準偏差:29,169円
終了時600枚以上保有:50%
終了時1,000枚以上保有:30%
終了時1,500枚以上保有:15%
終了時2,000枚以上保有:7%
平均収支は約マイナス2万。
メーカー発表の機械割が97%なのでシミュレーションはそれなりに正確だろう。
終了時に持っているコイン枚数の平均値は787枚。
30パイ機であれば下皿には収まらない枚数だと思われる。
これは差枚数ではなく、あくまでも手元に持っているコイン枚数であることに注意。
ほぼ半数の台は、終了時に600枚以上のコインを保有していた。
30パイ機なら600枚あたりが箱を使う目安になると思われる。
1,000枚ならそれなりに見栄えのあるボリュームのコインが箱に入っている状況だと思われるが、割合は30%。
1,500枚なら2箱は使っているだろうが割合は15%。
シマの半分近くが箱を使っていて、2箱以上の台がちらほらみられる状況なら、中間設定を多めに使い、高設定も散りばめているように見えるのではないかと思われるが、出玉アピールとしては少し物足りないか?
判断はともかく、これが全台設定1でフル稼働した場合の見え方である。
ハナハナホウオウ天翔 オール設定6祭り
ハナハナホウオウ天翔のオール設定6祭りを3万台規模で開催した場合、保有コイン数の分布は次の通りになる。
差枚数ではなくて閉店時の保有コイン数である点に注意されたい。
平均保有枚数:2,804枚
保有枚数標準偏差:1,420枚
平均収支:+43,461円
収支標準偏差:31,483円
終了時1,000枚以上保有:90.1%
終了時2,000枚以上保有:69%
終了時3,000枚以上保有:42%
終了時4,000枚以上保有:19.5%
オール設定1祭りとは大きく様相が異なり、終了時に手持ちが0枚(つまり現金投資)の台は1%以下である。90%以上の台は1,000枚以上のコインを保有している。
オール設定1とオール設定6の極端な例を示したが、客付きがよく朝から晩までフル稼働しているような店の場合、4-5台に1台程度の割合で2-3箱積んでいるような状況には注意が必要だ。そのような状況は高設定や中間設定をところどころに使ったりしなくても発生し得る。
その程度の出玉アピールでも集客できる店であるならば、オール設定1でも問題はないと言うことだ。
人気店のハナハナやジャグラーのシマで、数台に1台程度の割合で箱を使っているような出玉状況、よく見かけないか?そのシマはオール1かもしれない。中間設定を程よく配置しているなどと安易に判断しないように。
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