つまり入れた現金が玉で戻ってきただけ
パチンコもスロットも、大当たりを引いて持ち球遊技になるまでは現金をサンドに吸い込ませる。
そして大当たりすると、現金ではなくて玉やコインが出てくるので、箱に入れ積んでいく。
つまり見えている出玉には現金投資分が反映されないことに注意が必要だ。
パチンコで20箱積んでれば、換金額は10万くらいになるだろうが、もしかしたら10万以上も投資していて収支はマイナスかもしれないわけだ。
パチンコ店としては、出している店を演出するために、一定の割合でドル箱を積んでいる台が発生する状況は必要だろう。そのため小さい箱を使ったり、出玉がより多くみえるような積み方を工夫している。
このページでは、単純な払い出し率ではなく、高稼働店における見た目の出玉に着目してみる。
高稼働店、ボーダー釘調整のPまどマギ3 シマの様子は・・・
荒れそうな台としてPまどマギ3を選択し、差玉ではなく遊技終了時の持ち玉に着目してシミュレーションを実施し統計情報を取得した。最近の荒れる台なら、ほかの機種でも傾向は同様であると考えられる。
シミュレーションの条件は次のとおり。
<シミュレーション条件>
1日2,000回転、3万台シミュレート
17.1回転/1,000円(等価ボーダー)
4円貸し、3.57円(28玉)交換
<結果>
■全台のデータ
終了時平均持ち玉：12,835玉
持ち玉の標準偏差：16,752玉
平均投資額：52,013円
平均収支：-6,190円
■1箱以上使っている台のみのデータ
終了時平均持ち玉：20,368玉
持ち玉の標準偏差：17,272玉
ほぼボーダー回転の想定であるが、平均収支は換金ロスの影響を受けて若干のマイナスだ。
平均投資額が5万超えなのは驚きだが、終了時の平均持ち玉も12,835玉ということで、ドル箱にすると8箱程度。
あくまでも平均であるが、Pリゼロ3がフル稼働した場合、店が利益を得られる釘調整であっても、1台平均8箱ものドル箱が通路に積みあがる結果となった。
なお、上記のグラフのように、終了時に箱を使っていない(現金投資中のまま終了)の台が1/3以上を占める点にも注意されたい。平均は8箱であっても、非常に範囲が広く浅い分布である。
ただし、客が注目するのは出なかった台も含めた平均値ではなく、実際にドル箱を積み上げている台だろう。
そこで、終了時に2箱以上(2,000玉以上とした)出ている台に限定して平均値を取得すると、20,368玉となった。
もちろん全員が回転から閉店まで粘るわけではないが、ボーダーの釘調整でも、閉店時には平均13箱ものドル箱が積みあがるともいえるわけだ。
2台に1台程度の割合で10箱以上も積んでいたら甘い営業に見えるだろうが、この状況でもトータルでは客のマイナスである。
回収釘調整でもドル箱は積みあがる
客入りがよい大手チェーンでは競って人気台が埋まる。そんな高稼働店で悪い釘調整にした場合、出玉はどのように見えるのか実験してみる。
<シミュレーション条件>
1日2,000回転、3万台シミュレート
13回転/1,000円(ボーダーに4回転ほど足りない)
4円貸し、3.57円(28玉)交換
<結果>
■全台
終了時平均持ち玉：10,152玉
持ち玉の標準偏差：15,107玉
平均投資額：78,163円
平均収支：-41,920円
■1箱以上使っている台のみ
終了時平均持ち玉：18,848玉
持ち玉の標準偏差：16,361玉
さすがに13回転/1Kでは投資も非常に大きくなるし、平均収支も悲惨だが、
2000回転終了時の平均持ち玉は1万玉を超える点に注目したい。分布の傾向はボーダー回転数の場合と同様だ。つまり回収調整の釘でも、稼働が良ければドル箱の積み上がり具合はよい釘調整の場合と大差ない。
これは、大当たりやラッシュを引いてしまえば釘調整に関係なく持ち玉は増え、釘の悪さは持ち玉の増加自体には影響しないからだ。釘の良しあしが影響するのは、現金投資の速度と持ち玉の減少速度だ。
簡単に言えば、釘が悪くても当たってしまえば関係ないと言うこと。
1万玉ということは6-7箱。
稼働さえよければ、13回転、平均4万負けの劣悪釘でも見た目の出玉は十分に演出できると言える。
さらにボーダー回転数の場合の考察と同様に、箱を使っている台のみの平均値を取得すると、18,848玉。
客が平均4万も負けるような調整でも、平均12箱も出ているように見えるともいえるわけだ。
1台おきに12箱も積んでいたら優良店だと勘違いする客も多いだろう。
ただし、実際には1台あたり-41,920円、10台のシマなら40万超の粗利である。
そんなシマでも、全台フル稼働で客が閉店まで粘ってくれるなら、2台に1台1の割合で平均12箱も積み上がるのだ。
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